2024年05月03日

パスワード

購読会員記事

セブン&アイ、そごう・西武を米投資ファンドに売却

西武池袋本店は大規模改装中で、今後の推移が注目される

セブン&アイ・ホールディングスは11日、子会社のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却すると発表した。フォートレスは家電量販店を運営するヨドバシホールディングスと組み、そごう・西武の収益性を高める。

セブン&アイは売却の理由を「当社グループの経営資源による事業構造改革では、お客様への提供価値および事業価値の最大化を図るのは困難と判断した」と説明。さらに「フォートレスが有する不動産事業や企業再生のノウハウ、資金力を活用することが、そごう・西武の百貨店事業の収益性を改善するとともに、成長性および効率性の向上に資する。また、従業員の雇用が維持されるかという観点も非常に重視しており、フォートレスはそれに適うと判断した」とした。

そごう・西武の今後については、「フォートレスはそごう・西武が推し進めるテナント構成や商品構成の最適化、事業運営の効率化やコスト削減などの事業戦略に賛同しており、今後は協議を行い、収益構造の最適化や不動産の有効活用を通じて、そごう・西武の潜在的価値を最大限に引き出し、事業基盤をさらに飛躍させる意向を有している」(セブン&アイ)という。

セブン&アイはそごう・西武の全株式を売却するとともに、そごう・西武が75.2%を所有するロフトの株式を取得。グループ内にとどめる。一方で、セブン&アイの子会社であるセブンCSカードサービスは、そごう・西武に移管される見通しだ。

セブン&アイからフォートレスへの株式の売却は来年2月1日を予定しており、価額は「(そごう・西武の)企業価値2500億円に、純有利子負債や運転資本に係る調整およびSCSの支払い配当に係る調整を行い確定する」(セブン&アイ)。

(野間智朗)