にんべん、三重のクラフトビール「ISEKADO」とコラボ スモーキーな香りが特色
左から二軒茶屋餅角屋本店の鈴木成宗社長、にんべんの髙津伊兵衛社長、三重県東京事業所所長の福島頼子氏
かつお節専門店のにんべんと、クラフトビール「ISEKADO(伊勢角屋麦酒)」を醸造する二軒茶屋餅角屋本店は、コラボビール「燻しだし」を発売する。8日から、ISEKADO公式ECサイト、東京・日本橋にあるアンテナショップ「三重テラス」、にんべんの直営店などで扱う。容量は350ml、価格は770円。当面は限定品とし、定番化は反響を見て判断する。
にんべんの本枯鰹節から引いただしを麦汁と合わせ、「ファームハウスエール」というベルギー発祥のビールのスタイルで製造する。かつお節の燻製香と麦芽の燻製香に伊勢の森から採取した野生酵母「KADOYA1」を重ねることで、豊かな香りに仕上げた。苦みを抑えてだしのうまみを主役にした味わいで、和食に合わせやすい食中酒を目指したという。
企画のきっかけは、にんべんの創業者が現在の三重県四日市市出身であることと、今年が三重県誕生150周年、三重テラス開設13周年の節目に当たることだった。にんべんと三重テラスはどちらも日本橋にショップを構え、以前から交流があった。三重テラスがにんべんに周年企画を相談したことから企画が立ち上がった。

ラベルにはカツオが描かれている。デザインはホセ・フランキー氏が手掛ける
二軒茶屋餅角屋本店は、三重県伊勢市に構える、1575年創業の老舗企業。21代目当主である鈴木成宗社長が1997年にクラフトビールブランド「ISEKADO」を立ち上げ、国際的なビールコンペティションで数々の受賞を重ねてきた。にんべんの髙津伊兵衛社長が大のビール好きで、これまでもかつお節を使った発酵酒の醸造に取り組んだ経緯もあり、本格的なビールの企画開発となった。
燻しだしの開発は難航した。二軒茶屋餅角屋本店の瀬田一帆生産管理本部長は「既存のビールにだしを混ぜただけでは、だし由来のうまみや酸が味のバランスを崩し、ISEKADOとして納得できる出来にならなかった」と説明する。そこでかつおだしのスモーキーな香りに着目し、それを強調させる方針に転換。約半年を掛けて商品化にこぎ着けた。
鈴木社長は、「日本らしいスタイルのクラフトビールを世界に打ち出す上で、だしは大きな可能性を持つ素材」とコメント。髙津社長は試飲し、「すっきりした口当たりの後にホップとは異なる苦みとコクが続き、和食に合う」と評価した。
三重県東京事業所所長の福島頼子氏は「江戸から300年の歴史を持つにんべんと、伊勢で400年の歴史を持つ二軒茶屋餅角屋本店の2つが日本橋で出会い、新たな発信をしていくことにとてもワクワクしている。最近地方は元気がないと言われるが、大きな羽ばたきのきっかけになれば」と期待を込めた。
(都築いづみ)