川口市民待望の三井ショッピングパーク ららテラス川口、5月31日にオープン
川口の新たなシンボルとなる「三井ショッピングパーク ららテラス川口」。9.6m×16.8mの大型LEDビジョンでも情報を発信
三井不動産は5月31日、埼玉県川口市に「三井ショッピングパーク ららテラス川口」をオープンした。外壁には埼玉県最大のLEDビジョンを設置し、メインエントランス横のからくり時計を17年ぶりに作動させるなど、21年2月に閉店した「そごう川口店」の建物造作を生かしリニューアルを行った。地下1階には三島・柏・武蔵小杉に次ぐ4店舗目の小型百貨店として、百貨店ならではの和菓子や人気スイーツなどのギフトを揃えた「西武・そごうショップ」もオープンした。地下2階~地上11階建て、敷地面積は約8900㎡、店舗面積は約2万1500㎡。年間売上約170億円、年間来場者数約600万人を目標に掲げる。埼玉県初出店8店舗を含む、94店舗が集結したライフスタイル型商業施設となる。
大理石をリメイクしたベンチでひと休みできる
「在るもので、新しく」をコンセプトに「川口のレガシーを継承した、新たな街のランドマーク」を目指す同店は、約30年に亘り川口市民に親しまれてきたそごう川口店を「残す」「蘇らせる」「創る」べく、同社が手掛けた商業施設。三井不動産執行役員商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部副本部長兼リージョナル事業部長の肥田雅和氏は「百貨店として作られた建物をリニューアルすることは新たな取り組みだった」と話す。
400年以上の歴史がある川口の産業「案行の植木」がモチーフになっているメインエントランス
旧店の面影を残すエレベーターホール。階数表記の鋳物はフロア毎に素材もデザインも異なる
同社が全国に展開する商業施設は86店舗ある。いずれも「その街の価値が高まるよう出店地域が求めているものを実現していく」ことを事業方針としている。同店のリニューアルに対し「建築費の高騰が要因では?」との声にも「川口駅前のにぎわいをいち早く再生して欲しいという地域の要望に応える選択だった」と説明する。
5月29日の12時、17年ぶりに時を告げたからくり時計。ここから新たな時を刻む
大時計を17年ぶりに蘇らせ、傷んでいた大理石をベンチにリメイクしたり、テッポウユリの手すりや館内サインなど細かな装飾に至るまで点検や再塗装、補修を行い、館内の至る所にかつての姿をとどめている。「結果的にサステナブルな観点から、環境負荷が軽減できた」ことは大いに意義がある。地域の産業との融合も図り、各階のエレベーターホールには川口鋳物工業協同組合の協力で製作されたオリジナルのフロアサインを設置。「旧店に親しみを持っている顧客はもちろん、幅広い年齢層の新規顧客にも愛される店舗にしていきたい」と語る。
エレベーターも旧店から受け継いだもの
テッポウユリの手すり。価値あるものの魅力を損なわないよう再生
館内には94店舗が集結する。1階がライフスタイル雑貨、2階がファッション・カフェ、3階がファッション雑貨、4階がファッション・カフェ、5・6階がファッション、7階が家電・生活雑貨で構成され、デイリーユースからセレクトショップまで揃ったアパレルをはじめ、生活雑貨、家電、アミューズメントが出店する。屋上は埼玉県初となる150㎡のビーチが広がるLAテイストのビアガーデン「WILDBEACH KAWAGUCHI」に生まれ変わる。
2階にあるバームクーヘンで知られる「治一郎」ブランドの「Cafe@Roost」は埼玉県初登場だ
「あおやまベーカリー」の店頭には埼玉県産の食材を使った「地産地消パン」や季節のパンなど50種類以上が並ぶ
地下1階は30店舗が展開し、埼玉県初や川口初が目白押し。5店舗が集まるフードコートには、埼玉県初となる「鶴丸うどん本舗」や川口初の「ゴンチャ」に「札幌みその」が出店。惣菜やベーカリーなどが揃った「川口FOOD MARKET」には、埼玉県初の「淡路屋」や川口初の「銀座アスター」といった惣菜、埼玉県初の「あおやまベーカリー」、「日本うまいもの館」など名店がひしめく。同フロアには川口初の「成城石井」と「魚の北辰」といった鮮魚、青果を扱うスーパーもあり、地元民の日常の食を支える。
タピオカミルクティーで人気の「ゴンチャ」。川口初で注目が集まる
国産小麦を使い毎日店内で製麺する「鶴丸うどん本舗」。包丁切りすることで麺をウェーブさせ、コシともちもち感を生んでいるのが特徴だ
同フロアには旧店で人気のあったブランドや地元埼玉の銘品、百貨店ならではの和菓子、人気スイーツ、ギフトを扱う「西武・そごうショップ」もオープンする。売り場面積約130㎡に「赤坂柿山」や「ヨックモック」、「オッジ」、「浅草今半」など35ブランドを揃え、地域密着型のショップを目指す。「手土産やちょっとしたギフトが購入できるショップを、と地域の方々から熱望する声を頂き、小型百貨店という形で約4年ぶりに復活させた」(肥田氏)。長きにわたって地域に親しまれてきた百貨店のレガシーを継承し再生したショップは、ここからまた新たな歴史を刻んでいく。
デパ地下を代表するブランドが集まる「西武・そごうショップ」
同店はJR川口駅に直結し、東口からはペデストリアンデッキ経由で徒歩約90秒に立地する。駅の1日の乗降者数は14.3万人で、周辺には多くのタワーマンションが林立している。新たな人口流入があり、人口増加率は14年比で約104%と10年で2.3万人も増加している。市の人口は60.7万人(25年)で、全国の政令指定都市を除き船橋市に次ぐ第2位だ。駅の西側には「三井ショッピングパーク ららガーデン川口」もあり、三井不動産商業マネジメント川口エリアオペレーションセンター所長の藤林秀輔氏は「東西それぞれで商圏エリアを形成し、共存していきたい」と考えを表した。
合同企画として7月31日まで、最大7000円相当をプレゼントする提携クレジットカード新規入会キャンペーンを開催する。三井ショッピングパークアプリ限定のポイントアップデーを6月8日までは同店で、6月9日~15日はららガーデン川口で開催。ほかにも会員向けに地域住民や団体主催のワークショップなども予定している。「ららガーデン川口には約1250台の無料駐車場があり、同店には周辺の契約駐車場があるものの、駅直結、多くのバスが乗り入れる良好な交通アクセスから、競合しない見解」という藤林氏の言葉からも、ポテンシャルを秘めたエリアへの期待が伺える。
(北野智子)