メリーチョコレート、‟とろりなめらか”なチョコレート「ショコラトロリィ」発売

2025/12/03 12:00 am

メリーチョコレートカムパニーは、“とろりなめらか食感”が特徴の「ショコラトロリィ」を発売した。フレーバーは「ミルク」「ビターオレンジ」「宇治抹茶」「ストロベリー」の4種類で、価格は3個入で513円。手の届きやすい価格ながらボンボンショコラのような高級感があり、‟日常ご褒美”をコンセプトとしている。

「外はカリっと、中は滑らか」食感を追求

商品名の「ショコラトロリィ」は、「ショコラ」と「とろり」と「3粒(three)」を掛け合わせた。企画のきっかけは、同社が以前行った定性調査だ。広報宣伝部コミュニケーション戦略課の奥田一輝氏は「市場では、外がカリッとして中は滑らかな食感のチョコレートの支持が高い。そこを軸に開発を進めた結果、口どけを堪能できて本格的な味わいのガナッシュを閉じ込めたチョコレートが誕生した」と話す。

「ビターオレンジ」と「ストロベリー」は中身がガナッシュとソースの2層構造になっている

4種類とも素材や製法にこだわっており、「ミルク」はミルクチョコレートに練乳とブルボンバニラ香料を加え、ミルキーでありながらも奥行きのある味わいに仕上げた。「ビターオレンジ」は、ビターな味わいのガナッシュを、ほろ苦いオレンジソースが引き立てる。香り付けにはフランス産リキュール「コアントロー」を使用した。

「宇治抹茶」はホワイトチョコレートに合わせてブレンドした、特製の宇治抹茶を使用。「ストロベリー」はジューシーな福岡県産あまおうイチゴガナッシュに、甘酸っぱいストロベリーソースを合わせた。「ビターオレンジ」と「ストロベリー」は中身がソースとガナッシュの2層になっており、異なる食感を楽しめる。

コーティングのチョコレートはカリッとした食感を楽しんでもらうため、薄めに仕上げている。元々同社のコーティングチョコレートは厚めだったが、それに対する課題意識もあり、薄めのコーティングができるコールドプレスマシンを工場に導入したことも、ショコラトロリィの開発の背景にある。

忙しい日々のちょっとしたご褒美に

ギフトなどに適した「詰め合わせ箱(4個)」

ターゲット層は、忙しくてゆったりと過ごす時間がない、30~40代の女性。日常的に手に取れる「自分へのご褒美」としての利用を狙う。そのため、自分の好きな味を少量から手軽に購入できるよう、3個入で513円に設定した。JR東京駅の改札内に構える旗艦店「グランスタ東京店」と、一部百貨店で展開する。

ギフトニーズへの対応としては、3個入箱をセットにした「詰め合わせ箱」(4箱入が2162円、6箱入が3243円)を用意した。奥田氏は「ギフトやプレゼントは、自分が良いと思ったものを贈りたい人が多い。まずは自分で食べて、気に入った後にギフトにも使っていただければ」と話す。

パッケージデザインは情緒的な要素を打ち出す

箱には、商品に使用した素材が描かれている

定性調査では、メリーチョコレートカムパニーから離反した層は同社に対して「老舗で変化がみられない」「高価格のチョコレートの詰め合わせは求めていない」と考えていることも判明した。同社をあまり知らない層からは「高級感や情緒的な訴えがなく、ギフトにしづらい」「ワクワクしない」といった意見がある。

そこで、パッケージやディスプレイのデザインにも力を入れた。ポイントは「目に留まる引っかかりのある要素」で、高級感のあるシンプルなデザインの中に、可愛さやエモーショナルな要素を散りばめた。ただし、店頭で同社の他の商品と比べても浮かないよう、「メリーらしい、かつ埋もれない」テイストにした。

トレンド性の高いデザインにニーズがある一方で、既存顧客の中には安心感を求める層もいる。最適なバランスを追求したデザインで既存顧客を逃さず、なおかつ新客も獲得していく考えだ。

(都築いづみ)

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