西川の「ニューミン」からナイトウエアとタオル、“美容睡眠”の発信力上げる

2024/04/10 9:30 am

タグ: 西川  ニューミン 

西川の美容睡眠ブランド「newmine(ニューミン)」から、ナイトウエアとタオルが登場した。昨年8月にローンチした「コスメティックスシリーズ」の第2弾で、就寝前から肌への保湿ケア(※1)を叶えるアイテムだ。同シリーズは、繊維内に美容液成分のビタミンE(※2)を貯蔵した生地を使用。摩擦や体温に反応してビタミンE(※2)が放出し、肌の角層まで浸透する。医薬品医療機器等法に基づく届け出をした同社初の「化粧品」として、寝具とは異なる客層へのアプローチも徐々に成果を見せ始めている。新商品投入で、さらなる認知度向上を目指す。

2020年にスタートしたニューミンは、「眠りでキレイをつくる」ためのナイトルーティンを推奨している。睡眠前の入浴で1日のストレスから解放され、リラックスした状態で入眠に備え、自身に合った寝具や環境で快適に眠る――という同社独自のメソッドだ。ナイトウエアとタオルの開発は、このルーティンを奨めている中で、コスメティックスシリーズでは寝ている間に使うカバーやピローケースしかなく、寝る前のルーティンでも使えるアイテムの開発が課題だった。

3月中旬に発売したのは、「コスメティックスナイトウェア」と「コスメティックスタオル(スムース)」の2種類。昨年に第1弾として発売した「ピローケース」「フェイスラインカバー」「掛け布団カバー」は、“睡眠中”に焦点を当てたのに対し、今回のナイトウエアとタオルは、“睡眠前”の保湿ケア(※1)に着目した商品だ。

(※1=肌に触れた部分のみ、※2=酢酸トコフェロール〈うるおい成分〉)

肩甲骨部分の可動域を広げる「X-Back」構造

手首の先まで肌に触れた部分のみを保湿する二重構造

全身に潤いを与える(※1)コスメティックスナイトウェアは、「X-Back スタンドカラー」「サテン テーラード」「スムース ボートネック」の3型を揃える。X-Back スタンドカラーは、昨年7月にクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で販売した「トリートメントウェア」をベースに改良した。背中の肩甲骨部分に伸縮性の高いニット生地を使い、寝返り時に体からウエアがずれたり、突っ張ったりするのを軽減する。手首部分は袖口を伸ばせる二重構造で手の甲まで保湿(※1)でき、冷気から手首も守れる。同社の研究機関「日本睡眠科学研究所」による「手首や足首を温めると体の深部の体温が下がり、入眠しやすくなる」という、快眠ポイントも反映させた。

(※1=肌に触れた部分のみ)

画像左が「サテンテーラード」、右が「スムース ボートネック」

ナイトウェア3型全てに共通して、「シンプルで、誰の体にも合うデザイン」を心掛けた。そのため、上品でスタイリッシュに見えるように、襟元の開き具合を細かく調整。加えて、楽に着脱できるようウエスト部分をスピンドルのゴム仕様にした。家の中でスマートフォンを持ち歩く状況も想定し、ズボンにポケットも装着。化粧品としてのナイトウエアではあるものの「立体設計」を施し、“快眠アイテム”としての着心地も追求した。商品第4部第1課の田尻和香氏は「皆の悩みを解決できるナイトウエアになっている」と、自信を示す。

「コスメティックスタオル」は、朱子織りでフラットな表面生地に仕立て、肌触りを重視した

2つ目のコスメティックスタオルは、風呂上がりに化粧水やボディクリームを塗る一歩手前でスキンケアができるアイテムとして打ち出す。一般的なタオル生地は吸水力を上げるため、丸いループ状の糸を織り出したパイル生地が多いが、コスメティックスタオルは肌への摩擦を少なくするため「朱子織り」を採用。なめらかで肌触りが良いのが特徴で、社内アンケートでも朱子織りの使用感を好む人が多かったという。

サイズは用途別に3種類をラインナップ。「スマートバス」は34×120cm、「フェイスタオル」は34×80cm、「コンパクトタオル」は34×25cmと、いずれも一般的なサイズよりも短辺の幅が狭い。洗濯して干す際にはスペースを取らず、持ち運びにも便利なサイズ感に仕上げた。コンパクトタオルは、実際に開発メンバー達が顔に当てながら、顔も拭ける絶妙な大きさを考えた。開発を手掛けた商品第3部第2課の堤玲奈氏は「洗顔後に使っていただくのはもちろん、朱子織りで薄く持ち運びもしやすいので、日中も持ち歩いていただきたい」と推す。

潤い感にあふれた美しいパッケージ。男性が女性へのギフトに購入した事例も

コスメティックスシリーズは、発売から半年以上が経過。新たなカテゴリーで販促にチャレンジし続けた結果、成功事例は確実に増えてきている。化粧品の口コミサイトでは600件以上の口コミを集め、高評価を獲得。サイト内からのオンライン購入や店頭購入にもつながり、売上げも上々だ。最近ではギフトも含め男性客の購入もみられ、美容感度の高い男性など“コア”な人達に向けた発信方法も構想する。

そのほか、百貨店の美容関連商品を集積したフロアでのポップアップも展開。これまで百貨店では上階の寝具売場にしか置けなかったのが、コスメや美容製品などと一緒に販売できたことは「1つの大きな成功だと思う。今後はこうした売り方をさらに拡大していきたい」と萩原氏。さらに「今まで接点が少なかった方達に向けての発信ができ始めているところ」と現在地を見る。

店頭で接客をした田尻氏も「寝具売場では60~70代のお客様が多かったが、ポップアップでは30~40代と年齢層が下がった」と、手応えを得る。客からの「本当に化粧品?」という疑問は多いが、そうした問いにも商品の使用感、肌や髪への実感を説明し理解してもらうことで、購入に結び付けてきた。

今後は「化粧品としての露出」を課題に、「寝具(のカテゴリー)からの脱却」を次のフェーズに設定。寝具売場を越えて新たなエリアで発信力を上げていく。

(中林桂子)

西川の「ニューミン」、“化粧品寝具”で新客獲得へ

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