丸井G、D2C発展を後押し

2020/03/03 6:00 am

タグ: 丸井 

丸井グループは1月31日付で、「D2C &Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)(株)」を設立した。D2Cスタートアップ企業を対象に、投資だけでなく、運用資金の融資から、期間限定や常設ショップなどリアル店舗への出店支援、ショップの運営受託、ものづくりやECサイトの構築などまで、グループの総力を挙げてD2Cエコシステム全般を支援していく。新会社では2023年3月期までの3年間で約30億円の投資を計画しているが、丸井G全体では170億円の枠を設けており、増える可能性もある。ミレニアル世代やその次の世代に向けたD2C全体を発展させることを通じて、リアル店舗の進化と、共感を通じて顧客とつながる新しいビジネスモデルの構築を目指していく。

 

 グループ資源を活用

 新会社設立 出店や運営の支援も

 

「D2C業界の発展に貢献することで、進化した店づくりと共感を通じてお客様とつながるビジネスモデルを実現していく」。

 

丸井Gの青井浩社長は、2月12日に開いた、D2Cのエコシステムを支援する新会社の設立発表記者会見で述べた。ミレニアル世代やその次の世代の価値観の変化に適応していくための新会社であり、グループ全体の価値向上への貢献も期待する。

 

 

丸井Gはスタートアップ企業などに対し2023年3月期までの7年間で約300億円の投資を計画しており、19年までに約130億円を投資してきた。このうち簡単にネットショップが作成できるウェブサービスを運営する「BASE」、ECを通じてカスタムオーダーのビジネスウエアを提供する「FABRIC TOKYO」、約3万通りからカスタマイズしたレシピでシャンプーとリペアを製造して届ける「MEDULLA」(企業名Sparty)などのD2C企業に約50憶円を投じてきた。

 

 

新会社では今後3年間で約30億円の投資を見込んでいるが、ただ丸井Gでは170億円を計画しており、D2Cエコシステムへの投資が増える可能性もある。

 

丸井Gの青井社長は新会社設立の背景について、ふたつのマーケットの変化に着目したと説明。「顧客とビジネスの関係性の変化」と「ビフォアデジタルからアフターデジタルへの変化」だ。「従来の売り手と買い手から、お互いに共感できるパートナーやコミュニティという関係に変化していく」と想定しており、続けて「モノを買うだけならばネットの方が圧倒的に便利で、オフラインをベースにしたビジネスは根本的見直しが迫られている」と強調した。

 

アフターデジタル時代に対応した新たな価値を提供する店舗に進化していくために注目したのが、D2C企業だ。それだけに新会社は単に資金を提供するだけでなく、年間約2億人が来店するマルイの店舗や700万人超のエポスカード会員、モノづくりや店舗運営、接客・販売のノウハウを持つ人材など、丸井Gのリソースを結集して、D2C企業の成長をサポートしていく考えだ。

 

 

既に手掛けているD2Cブランドのショップを有楽町や渋谷、新宿、なんばなどで展開しており、今後もマルイ店舗内への誘致を加速させていく。

 

マルイの店舗は約5年をかけてテナント運営モデルに切り替えてきており、D2Cブランドも賃貸借契約で誘致する。D2C企業はリアル店舗を宣伝・販促の場と捉えており、マルイにとっては一般的な専門店やショップよりも高い基準で誘致できるケースもあり、収益につながる。

 

D2Cブランドのキュレーションサイトを立ち上げて、ブランド間の相互送客を促進していく予定だ。D2Cブランドの多くが社会課題の解決を経営理念に掲げており、同サイトは「お客様にとって自身が共感するブランドと近い価値観を持つ新たなブランドとの出会いの場となり、ブランドにとってもネットとリアルに続く第三の顧客接点の場になる」(青井社長)。

 

D2Cエコシステム発展への支援は、丸井ならではの次世代向けにリアル店舗を進化させていくための事業創造であり、今後の動向が注目される。

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