日清オイリオ、26年3月期は増収も利益確保に苦戦

2026/06/05 12:41 pm

日清オイリオグループの2025年度(25年4月~26年3月)連結決算は、売上高が前期比4.4%増の5542億円となった一方、営業利益が11.7%減の170億円、経常利益が11.4%減の160億円だった。原材料や物流費などのコスト上昇が続く中、主力の国内油脂事業で販売数量が減少し、収益を圧迫した。ただ、固定資産売却益を特別利益として計上したことから、純利益は86.7%増の239億円となった。

同社を取り巻く事業環境は厳しさを増している。菜種価格の上昇や物流費、包装資材費の高騰が続く一方、食品価格上昇を受けた消費者の節約志向も根強い。国内油脂事業ではホームユース製品を中心に販売数量が減少し、油脂・油糧事業の営業利益は前期比16.9%減の67億円となった。

久野貴久社長は決算説明会で、「収益性と効率性における課題を改めて認識している」と述べ、国内油脂・油糧事業の改革を最優先課題に掲げた。24年秋以降の原料や物流コスト上昇に対する価格転嫁が十分進んでおらず、「適正価格での販売を進める」と強調した。

一方で、成長事業は堅調に推移した。グローバル油脂・加工油脂事業は、世界的なカカオ豆価格高騰を背景に、ココアバター代替需要が拡大し、売上高が20.3%増の1388億円となった。ファインケミカル事業は化粧品原料がけん引し、売上高は6.6%増の155億900万円だった。

26年度は売上高5900億円、営業利益190億円、経常利益180億円、純利益120億円を見込む。中東情勢などを背景とした原材料高騰リスクを織り込む一方、各事業で価格改定の浸透や販売数量の回復を進める。グローバル油脂・加工油脂事業ではチョコレート用油脂の販売数量を前期比8%増と計画。ファインケミカル事業でも国内外での化粧品原料販売の拡大を目指す。

同社は25年度から4カ年の中期経営計画「Value UpX」を開始している。28年度にROE8%以上、ROIC6%以上の達成を掲げるが、25年度のROICは4.5%と目標水準を下回った。久野社長は「資本収益性を軸にした変革を再始動する」と述べ、営業改革、生産・物流改革、投下資本の最適化を一体で進める方針を示した。

(都築いづみ)

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