キリンビール、「氷結 無糖」で夏の味覚を分析 「スッキリ」志向が鮮明に
2026/08/05 1:49 pm
キリンビールは7月28日、「氷結 無糖」シリーズに関する「日本人が『令和の夏に求めるおいしさ調査』」の発表会を開催した。近年の猛暑や夏の長期化を背景とした、生活者が夏に求める味覚の変化を、意識調査や味覚研究・販売データの分析から明らかにした。
氷結 無糖は2020年の発売以来、出荷実績累計20億本(350mL缶換算)を突破。キリンビールのRTD(低アルコール飲料)ブランドで025年の出荷本数が1位になっている。発表会では、無糖チューハイ市場の拡大を支える要因の1つとして、気候変化による嗜好の変化に着目した調査結果を紹介した。
発表会には、キリンビールマーケティング部氷結ブランドマネージャーの資逸晴亮氏と、味香り戦略研究所コンサルティング事業部コンサルティングチームマネージャーの松山彩氏が登場。味香り戦略研究所は味の解析を手掛ける企業で、今回の調査をキリンビールとともに行った。
酒類市場が縮小する中、無糖チューハイは伸長が継続
市場環境について説明する資逸氏
まずは、資逸氏が無糖チューハイを取り巻く環境について説明した。酒類市場全体が縮小傾向にある一方、RTDカテゴリーは長期に亘り安定して伸長している。17年の酒類市場における販売容量の構成比率が19%だったのに対し、25年には32%にまで増加した。特に無糖チューハイカテゴリーは、20年から5年間でシェアが約5倍に拡大。資逸氏は「お酒の新たなスタンダードになりつつある」と述べた。
今年10月に予定されている酒税改正も、追い風となる可能性がある。同社の調査によると、前回(23年)の改正時には、酒税改正によって価格が上がった「新ジャンル」から無糖チューハイへの流入が約2.75倍増加。今回も同様の市場拡大が期待できる。
無糖チューハイが好調な要因としては、「余計な甘さがない」「食事に合う」点が消費者から高く評価されている。若年層(20代)の飲用・購入経験は20年から25年までで5倍に拡大しており、酒離れが進む中でも無糖チューハイは若年層からの支持が拡大していることも判明した。
夏には「後味スッキリ」「爽快感がある」味が人気に
調査結果について語り合う資逸氏と松山氏
続いては資逸氏と松山氏で、無糖チューハイが受け入れられている要因の調査結果を語った。近年の暑さの常態化が要因の1つと考え、週1回以上飲酒する全国の30~60代の男女1000人を対象に、「10年前と比べた味覚思考」に関する設問を用意した。
87.8%が「10年前より夏が暑くなった」と実感し、67.5%が「気温上昇によって生活スタイルや考え方が変化した」と回答した。また、「夏に求める食べ物や飲み物の好みが変化した」という回答は約半数に上り、そのうち96.6%が「暑さの影響」と認識していた。松山氏は「断定はできないが、気温の上昇が感覚の基準や飲食物の選び方に影響を与える可能性は十分に考えられる」と述べる。
夏に求める味わいでは、「さっぱりしている」「後味がすっきりしている」「爽快感がある」といった回答が上位を占めた。暑い日に飲む酒として重視する点は「喉ごしがよい」「後味がすっきりしている」「爽快感がある」が多く、食事とともに楽しむ酒についても「後味がすっきりしている」「どんな料理にも合わせやすい」といった点が支持された。
今後は「食事中の親和性」を強みとして訴求
酒類の嗜好にも変化が見られ、夏に最もよく飲む酒として「無糖チューハイ」を挙げた人の割合は、10年前の5.2%から13.2%へと8ポイント増加した。現在の夏の嗜好に無糖チューハイが合っていると回答した人は70.9%に達し、その理由として「後味がスッキリしている」「甘くない」「爽快感がある」「食事の邪魔をしない」などが挙げられた。
資逸氏は「やはり、夏場のすっきり軽やかで飲みやすい味わい、これが非常に支持されている」とコメント。松山氏は「生活者が暑い季節に求めている味と、無糖というカテゴリーの特徴が一致している。 つまり無糖が選ばれているのは、暑い環境で人が自然に求める味に合っているからと考えられる」と話した。
こうした中、氷結 無糖シリーズは今春に発売以来最大のリニューアルを実施。新製法「氷結超クリア製法」により、より果実のおいしさがクリアに感じられる味に刷新した。今後は「飲みやすく飲み飽きない美味しさ」「食事中の親和性」を訴求し、飲食店コラボや限定品発売なども予定。「令和の夏に合うお酒」として、攻勢を掛けていく。
(都築いづみ)