ミキハウス、空間提案を強化 子供がより楽しく過ごせる売場に

2026/03/23 8:26 pm

ミキハウスはこのほど、2026年AW展示会を開いた。1週間に亘る展示会には、国内外17の国・地域から1300人以上が来場した。最高峰の素材と技術にこだわるプレミアムシリーズ「ミキハウス ゴールドレーベル」(以下、ゴールドレーベル)からは、シルクやカシミヤを使ったツイードなど、稀少な⽣地を⽤いた商品が多数登場した。⼀⽅、売場環境では汽⾞型什器やスペースシャトル型⾜型計測器、おもちゃ・絵本・雑貨の集積展開など、⼦供がより楽しめる環境づくりを提案した。

2022年秋に復活してすぐ、独自の世界観と可愛らしさで女児を中心に人気のブランド「ミキハウス チエコサク」(以下、チエコサク)でも、子供がワクワクする演出に注力し、ブランドの世界観を全面に表現する訴求を進めた。これまでのポップアップ展開や店舗リニューアルの好調を受け、子供への愛情を原点とする同社ならではの商品・サービス・環境づくりの提案を強化した。

「ミキハウス ゴールドレーベル」、極上の柔らかさを追求したツイードシリーズが登場

「ツイードシリーズ」はパンツ、キュロット、ジャケットなどを揃える

ミキハウスは「子供にとにかく良いものを与えたい」と考える国内外の顧客を対象とした⾼付加価値路線を推進しており、ゴールドレーベルはその象徴的存在だ。これまでも稀少性の高い素材を使用し、ベビー・キッズウエアの常識を打ち破るような商品を発売してきた。今回の⽬⽟である「ツイードシリーズ」は、子供が着用する際の快適さにこだわった。⽣地の素材は一般的に使用されるウールの代わりに、カシミヤやシルク、リネンをぜいたくに使⽤する。価格は、ウエアが55万〜110万円(税抜き、以下同)。

ツイード織の発祥地であるスコットランドから伝えられた「ホームスパン」の技術を持つ、岩⼿県花巻市の工場が⽣地製造を担当。ゆっくりと時間を掛けて織る「シャトル織機」を改良した織機を使⽤する。素材と製法により、軽やかで柔らかさのある着⼼地に仕上がっている。

高付加価値な商品・サービスをゆっくりと楽しんでいただける接客スペースも重視している

そのほか、「繊維の宝石」とも呼ばれる「海島綿」を、⽷の重みで⽣地をゆっくりと編み上げる「吊り編み」で織る「海島綿裏⽑シリーズ」(14万〜38万円)や、カシミヤ級の極細繊維でしなやかさに優れる最上⾼メリノウールを使⽤した「ルームウェアシリーズ」(12万〜20万円)などを⽤意。さらに、高付加価値な商品・サービスを求める顧客により満足してもらえるよう、商品の価値に見合った高級感あふれる売場空間と、ゆっくりと過ごせる個室接客スペースも設けて提案した。

同社の2025年(25年1〜12⽉)のゴールドレーベルの売上⾼は前年⽐35%増と⾼伸⻑した。百貨店の外商催事やポップアップが好調で、「国内の認知度が上がり、特別なプレゼントとしてお買い求めに来るお客様も増えている」(広報担当者)。引き続き、「とにかく良いもの」を求める顧客のニーズに応える⾼付加価値路線を推進していく⽅針だ。

子供が行きたくなる売場づくりの強化

⼦供が楽しく時間を過ごせる様々な仕掛けを⽤意した

売場を表現するブースでは、「楽しさ」にフォーカスした空間づくりを強調した。汽⾞の形の什器や、スペースシャトル型の⾜型計測器、雑貨・おもちゃの集積展開など、子供がワクワクするような工夫が随所に見られる売場を展⽰した。汽⾞の什器は運転席におもちゃがあり、乗り込んで遊べる。2両⽬は絵本の棚で、3両⽬は⼦供が塗り絵やお絵描きで遊べるスペースとした。フォトスポットとしても活⽤できる。

スペースシャトル型⾜型計測器は、所定の位置に⽴つと10秒間で⾜のサイズがデジタルで計測される。その間はディスプレイから映像が流れ、ハンドルを握って動かすこともでき、⼦供が楽しんでいる間に計測が終わる。

今年2⽉に三越⽇本橋本店で開催したポップアップで先⾏して導⼊したところ、⾮常に好評だったという。同ポップアップでは実際に動くミキハウスのオリジナル汽車の乗り物も展開し、「子供が行きたいと言ってくれる。楽しんでくれて嬉しい!」という声も多数寄せられた。こうした好反応を受け、今後も楽しく、子供が行きたくなる売場づくりの提案を強化していく。

訪⽇客向けの、オールシーズンの品揃えの重要性は年々増している

売場表現としてはもう1つ、特にインバウンドが多く訪れる地域の主要店における客に向けたオールシーズンの品揃えも展⽰し、必要性を強調した。日本製の高品質で高付加価値な商品とサービスが評価され、ミキハウスの顧客は海外にも多く、訪⽇時に⽇本のショップで半年先のものまでまとめて購⼊するケースも多い。⽇本とは逆の季節の国からの客もいるため、オールシーズンのニーズは非常に高い。

さらに、観光客はスケジュールがタイトなことが多く、スピーディーに商品を出すことも肝要となるため、そうしたニーズに応える売場を提⽰した。同社は以前から、オールシーズンの品揃えを全面的に展開する売場の提案を積極的に続けてきた。実際に実現した店舗の売上げは好調で、客単価も大きく上がったという。

「チエコサク」、ラインナップを拡大 備品も充実し、世界観に没入できる単独ショップの展開を提案

鏡やミラーなど、イエナカアイテムに合う什器を開発した

赤とピンクを基調とする可愛らしい世界観が特⻑のチエコサクは、⼊荷した商品がすぐに売り切れてしまうほどの⼈気が続き、顧客を増やしている。世界中の顧客からの好評を受け、ベビーアイテムや⽂房具、姉妹コーデを意識した「80㎝からのサイズ展開アイテム」などを拡充。新たにルームウエアも始め、ラインナップを拡⼤した。今回のシーズンテーマである「雪」「雪だるま」をイメージした、きらきら、もこもことした新作ウエアも⽤意した。

チエコサクは昨年から、顧客がブランドの世界観に没入して楽しめるような展開に注力してきた。可愛らしいドレッサーやチェストなど、商品什器以外の備品も使って世界観を演出したポップアップを複数回実施したところ、新規顧客を多数獲得し、2025年の売上げは35%増と⽬に⾒えて伸びたという。こうした実績を踏まえ、新たに鏡、ベッド、サイドテーブルなどを開発。メインステージもリニューアルし、空間演出に磨きを掛けた。

こうした世界観の表現は来場者からも好評で、海外店舗を運営するオーナーからは「自店でもブランドの世界観が表現できるよう、店装をアップグレードしたい」という声が多数寄せられた。展示会に招待された国内店舗やパリ店舗の顧客からも「チエコサクの家具を作って欲しい」「子供がこの空間が大好きで離れたくない」と好反応だった。

展示会全体を通して、ミキハウスは「良いもの、良いサービスを求めて来店してくださるお客様によりいっそう喜んでいただけるように、高付加価値で高級感のある商品・サービスとともに、子供が楽しい、行きたいと思っていただける売場環境を目指す」考えだ。

(都築いづみ)

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